日本有機農業学会メールマガジン第055号(2024年5月27日)

2024年05月27日

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□■□      日本有機農業学会メールマガジン        □■□

第054号  2024/5/27

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❏ 「有機農畜産物の機能性成分に係る海外の研究情勢調査のためのオンライン輪読会」参加者募集のお知らせ
❏ 「IFOAM『オーガニック 3.0』検証研究会」のお知らせ
❏ 公開研究会「有機農業の歴史を振り返る 第1回」のお知らせ(第1報)
❏ ‟有機農業”の窓:【教員公募 静岡県立農林環境専門職大学・静岡県立農林環境専門職大学短期大学部】のお知らせ
❏ ‟有機農業”の窓:いばらき有機農業技術研究会・現地見学会・研修会のお知らせ
いま、有機水稲が熱い!!

※「‟有機農業”の窓」は学会事務局に送られてきた広報依頼について、会員の皆様にとって有益と判断した情報を掲載しております。
※「新刊書のご案内」は学会事務局に送られてきた会員の新刊書等を掲載しております。随時、掲載依頼を受け付けておりますので、著者ご自身で紹介文をお送り下さい。

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 「有機農畜産物の機能性成分に係る海外の研究情勢調査のためのオンライン輪読会」参加者募集のお知らせ
 国内では有機農業の推進・存在意義は人の健康のためではなく、環境保全にある、という国の政策に沿った説明が多くの研究者や生産者によって受け入れられています。しかしながら、直近の2010~2022年の海外の研究者から発表された主要な英文総説類(24報)について予備的に調査したところ、一般論として有機の農畜産物は慣行よりも人の健康増進に資する機能性成分の種類や量が単位重量あたりで増加する、という結論が世界的には有機農業の常識として一般化しつつあることが明らかになりました。
上記のような海外の研究情勢に係る研究論文について、中堅・若手会員を中心とした10名程度でオンライン輪読会を月1回開催し、当該分野の知見を本会会員間で広く周知・共有することは国内の有機農業に係る活動への追い風となります。同時に、自身の専門分野に拘ることなく有機農畜産物に係る化学的な英語論文に対する基礎的読解力を持つ人材を学会内に育成し、1年間程度の輪読会終了後に得られた知見を総説や記事として参加者の連名で投稿することで今後の中堅・若手会員の研究活動の実績づくりにもつなげます。
参加者一人あたり(最低限の年間目標として)10報の論文を担当します。毎月参加者一人あたり1報分のレジメ(論文の重要なポイントとなる文章とデータを可能な限り日本語で訳し、他の参加者に理解できるように要約したもの)を作成し、オンライン輪読会で発表し、議論します。

参加申し込み〆切:2024年6月7日
*輪読会の詳細に関する問い合わせおよび参加希望は、下記の事務局までご連絡ください。

問い合わせ先:池田成志(北海道農業研究センター、研究活動委員)
E-mail:sikeda67[at]affrc.go.jp
↑[at]を@に変換して送信してください。

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 「IFOAM『オーガニック 3.0』検証研究会」のお知らせ第95回日本農学大会について
 近年の有機農業を巡っては、自給を軸としてオルタナティブ社会の方向を目指す有機農業から、市場競争のなかで高付加価値農業を目指す有機農業まで、かなり幅の広い多様な価値観が併存しているというのが実態です。
こうした現状においては、「日本の有機農業とは何か」という問いをより実態に沿い、かつ過去にも振り返って多面的に問うことが必要のように思います。
一方で、欧米での有機農業の動向にも色々にあるとは思いますが、代表的な一つと考えられる認識枠組みに、IFOAMが2016年に出した「オーガニック3.0」があります。その「オーガニック3.0」のなかでは、有機農業を「近代的で革新的な農業体系として」位置づけることを目指すと述べられています。
しかし、戦後日本の有機農業は近代農業の弊害等に気づき、近代農業の道ではない、自然と命の大切さをより重視した、民間主導の草の根の取り組みとしてあり、それは「近代的で革新的な農業体系」という言葉だけで表現できるような道ではなかったように思います。
このように、日本の有機農業の歩みとIFOAMでまとめられている「オーガニック3.0」とを比較してみるとだいぶ様子が違っているということも見え、私たちとしては今一度、この「オーガニック3.0」の検証作業を通じて、改めて日本の有機農業とはどのようなものなのかも複眼的に検討していくことができるのではないかと考えました。
また、この研究会は、第24回大会の特別セッション「『有機農業大全』合評会」開催過程において提起された課題意識も踏まえたものでもあります。
皆様のご参加をお待ちしております。
※「オーガニック3.0」日本語版は以下から見ることができます
http://ifoam-japan.org/wp-content/uploads/2021/08/IFOAM-Organic3.0-V2-Jp_%E7%B5%B1%E5%90%88%E7%89%883%E2%80%97%E6%9C%80%E7%B5%82.pdf

進め方
小規模な研究会を対面(オンラインも併用)で複数回開催していきたいと思います。
参集範囲は、このテーマに関心のある会員および関係者です。

第1回研究会
日 時: 2024年6月26日(水)  13:30~15:30
会 場: 茨城大学農学部 講義室102  茨城県稲敷郡阿見町中央3丁目21-1
会場参加:直接会場にお越しください。
オンライン参加:ZoomかTeams(どちらになるかは検討中)にてご参加いただけます。(事前に参加希望のご連絡をいただきましたら招待URLをメール送信いたします。)

*研究会の詳細に関する問い合わせおよび参加希望は、下記の事務局までご連絡ください。
問い合わせ先:飯塚里恵子(千葉農村地域文化研究所、研究活動委員)
E-mail:momoham4[at]hotmail.com
↑[at]を@に変換して送信してください。

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 公開研究会「有機農業の歴史を振り返る 第1回」のお知らせ(第1報)
有機農業が誕生して50年以上、自然農法の実践が始まって80年以上が経過しました。現在、現場、研究の世代交代も始まっており、その歴史の継承が課題となっています。ただし、継承が十分に行われているとは言い難い状況です。
本学会設立20周年記念として刊行した『有機農業大全:持続可能な農の技術と思想』(2019年、コモンズ)でも、有機農業の歴史と向き合い、学会として振り返ることを十分に行っていません。そこで、本学会のベテラン会員に報告を依頼し、世代継承という意味も込めて有機農業の歴史を振り返る機会をつくります。本研究会は、連続シリーズとして開催します。
*本研究会で使用する有機農業は、自然農法や自然農も含めて幅広く捉えています。

公開研究会「有機農業の歴史を振り返る 第1回」
報告タイトル「なぜ有機農業の再定義が必要なのか」(仮)
講師:谷口吉光(秋田県立大学)
コメンテーター:検討中
質疑応答
日時:2024年8月5日(月)19:00~20:30
会場:オンライン(ZOOM)

参加対象者:会員・非会員すべて
参加費:無料
*参加申し込み方法、研究会の詳細については次回のメールマガジンでお知らせします。

問い合わせ先:小口広太(千葉商科大学、研究活動委員長)
E-mail:oguchik[at]cuc.ac.jp
↑[at]を@に変換して送信してください。

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 ‟有機農業”の窓:【教員公募 静岡県立農林環境専門職大学・静岡県立農林環境専門職大学短期大学部】のお知らせ
本学は、全国初の農林業分野の専門職大学として開学し、教職員が一丸となって教育や研究の推進に取り組んでいるところです。この度、下記のとおり静岡県立農林環境専門職大学専任教員公募要領及び静岡県立農林環境専門職大学短期大学部専任教員公募要領に基づき、令和7年4月1日付採用教員の公募を行います。つきましては、御多忙のところ恐縮ですが、貴職から関係者の皆様に広く御案内いただければ幸いに存じます。

生産環境経営学部 木質科学 教授 1名
2名       動物生産科学 講師 1名

短期大学部    園芸科学 講師 1名
2名       動物生産科学 講師 1名

公募要領、応募様式
下記のURL からダウンロードできます。
○静岡県立農林環境専門職大学専任教員公募
http://shizuoka-norin-u.ac.jp/teacher_recruit/

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 ‟有機農業”の窓:いばらき有機農業技術研究会・現地見学会・研修会のお知らせ
いま、有機水稲が熱い!!

有機水稲栽培の未来を共に創造しませんか? オーガニック給食への関心の高まりの中で、有機米への需要が急増しています。この需要を支えるために、大規模な有機水稲農業経営が立ち上がっています。今回は、穂垂ル里山農場株式会社にて、実際の有機水稲栽培を見学します。さらに、研修会では自然農法と有機栽培に精通する三木孝昭さん(自然農法センター所属)を迎え、イネが最も元気に育つ理想の田んぼの条件を解説し、その理想を現実に変える技術や方法を深掘りします。これから有機栽培を始める方、自治体の担当者、または有機水稲栽培に挑戦中の生産者の皆さん、この機会をお見逃しなく! 一緒に持続可能な農業の未来を築きましょう。

現地見学会:
日時:2024年6月30日(日)午前10時30分から
集合場所:穂垂ル里山農場株式会社 (茨城県笠間市上郷1811番地)
研修会・総会:2024年6月30日(日)午後1時から4時半まで
場所:笠間市地域交流センターいわま(あたご)(茨城県笠間市下郷4438‐7)

詳細は下記サイトをご覧ください。
https://agroecology.agr.ibaraki.ac.jp/

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❖発 行:日本有機農業学会
❖事務局:SOUBUN.COM ソウブン・ドットコム内
〒116-0011 東京都荒川区西尾久7-12-16
E-mail:yuki_gakkai [アットマーク] soubun.org
❖編集・送信:林薫平(事務局長)・渡邊芳倫(理事)

メールアドレス・住所・所属など個人情報の変更、メールマガジンへの情報掲載のご依頼(毎月10日締切)、その他お問い合わせは、上記までメールでご連絡ください。

❖年会費の振込先:郵便振替口座/00930-5-155607 加入者名/日本有機農業学会