2025年01月27日
日本有機農業学会研究活動委員会 「オーガニック3.0」検証研究会報告
1.「オーガニック3.0」検証研究会の背景
「オーガニック3.0」検証研究会が2024年度研究活動委員会企画のひとつとして開催されました。研究会開催のきっかけには、昨年度第24回大会の特別セッションとして行なわれた『有機農業大全』の合評会において、IFOAM「オーガニック3.0」(2016年)が大全の前提認識となっている点を巡り、皆さんの中で論点のひとつとなったという経緯がありました。合評会の様子は『有機農業研究』Vol.16 No.1(2024年6月)にて、「特集」として掲載されています。今回の研究会は、日本の有機農業運動の実態に即して、IFOAM「オーガニック3.0」文章を批判的に検討するという意図で開催されました。
2.研究会の概要
研究会は2024年6月26日に茨城大学農学部にて行なわれ、21名の参加(うち5名が対面、16名がオンライン)がありました。
開催にあたり、小松﨑将一学会長からは以下のご発言をいただきました。
「(茨城県では)有機農業推進法ができた頃には、有機JAS認証を受けていなくてもすべての有機農家の方を推進しようという雰囲気が県の行政にはありました。ところが、みどり戦略やその後の儲かる有機農業という政策の流れになっていくなかで、……現実には大規模有機農業への政策支援が重視され、そのほうが認証をとれるということになってきています」。
今回の研究会の進行は、参加者がやや多人数でもあったため、すぐに討論へ入るのではなく、まずは参加者ひとりひとりからIFOAM「オーガニック3.0」についての所信を発言するという形をとり、参加者からは様々な情報や意見が交換されました。
以下では、研究会当日における参加者の発言要旨を示します。発言記録は発言順にそのまま示すのではなく、氏名の五十音順に列記しました。また、理解を促すために、生の発言そのままを収録するのではなく、多少の校正を加えた要約となっています。
3.研究会の発言要旨 ←こちらをクリック
付記 「オーガニック3.0」と日本の有機農業を巡る緊張関係を見つめる
千葉農村地域文化研究所 飯塚 里恵子 ←こちらもお読みください。